日本でも度々耳にする、国民の所得や生活の格差。アメリカやヨーロッパでも同じく問題になっており、イギリスではそんな国民の格差にフォーカスしたドキュメンタリー番組「Rich House Poor House」が話題となっています。
番組の舞台となるのは、その名の通り「上級階級の家 」と「貧困層の家」。互いの家、そして生活をスワップすることで、国民同士に存在する格差を浮き彫りにすると同時に、心や思考に変化や気付きを与える、革新的な社会派番組に注目です。
アボカドに週£16.20費やす家族と日々の生活に奮闘する家族のライフスワップ
イギリスで最も裕福とされる富裕層家族と貧困層家族。相対する二つの家族によるライフスワップは、常に驚きの連続です。
中でも話題になったのが、日々の生活に奮闘する家族と、アボカドに週£16.20(約2,500円)も費やしている裕福な家族によるライフスワップ。
アンディ・キム夫妻と子供達 / Image: Hat Trick Productions
アンディと身体障がい者の妻キムは、毎週£171(約2万6,000円)の予算で生活していましたが、£150万(約2億2950万円)の大邸宅に住むマット・モニケ夫妻とのスワップにより、一週間彼らの週予算である£1,500(約23万円)で生活することに。
ライフスタイルの変化の中で特にふたりを驚かせたのが、マット・モニク夫妻が一週間に出費するアボカドの金額が、10歳の息子の学校靴よりも高いという事実。
“Freddie’s school shoes doesn’t cost that much.”「フレディー(息子)の学校靴はそんなに高くないわ」というキムの言葉は、国民格差を視聴者に強く印象付けました。
限られた金額での生活が気付かせること
マット・モニク夫妻と子供達 / Image: Hat Trick Productions
一方、富裕層夫妻の夫マットは、英国とヨーロッパで600以上の武道芸術学校のチェーンを創設し、財産を得たビジネスマン。
しかし、そんな彼らもライフスワップによりアンディ・キム夫妻の週予算である£171(約2万6,000円)で一週間の生活を送ります。
妻モニク / Image: Hat Trick Productions
普段週予算£1,500(約23万円)で生活している富裕層夫妻は、£20(約30,00円)の紙幣を追いかけることなく車から飛ばすことを自慢していましたが、スワップを機にお金の価値を考えさせられることに。
限られたお金での生活は大富豪を謙虚にしたとイギリスのネットでも話題になりました。
「Rich House Poor House」が生み出すものとは?
国民の格差にスポットを当てる新しいスタイルのドキュメンタリー番組「Rich House Poor House」に対し、“ショーのポイントは何なのか?”という議論も存在します。
「富裕層がいかに自分たちが幸運なのかを実感するだけ」という意見もあれば、中には「イギリスの社会保障制度について考えるきっかけになる」という意見も。そうした議論もまた、「Rich House Poor House」が生み出す番組価値の一つかもしれません。
※£1=153円で計算(2018年1月現在のレート)