サステナブルファッションに向けた流れで、最近世界では様々な新素材が誕生している。
なかでも色鮮やかでジューシーな果物を原料にしてつくられるファッション素材は、フルーツそのもののポジティブなイメージと、ファッションの未来に対する期待が合わさってどこか心が躍る。
そんな“ポジティブファッション“に大きく貢献する、フルーツ繊維からできたファッション・ファブリックを集めてみました。(これから紹介するファブリックたちは、フードロスやゼロウェイストにも一役かっている。)
パイナップル(Piñatex® )
Ananas Anam Ltdが開発した「Piñatex®(ピニャテックス)」は、パイナップルの葉からつくられた最近注目の素材。
ヴィーガンレザーの素材としてよく使われ、Hugo bossやVotch、Paul Smith、H&Mなどが採用しています。
麻よりは繊維が細やかで、皮よりは軽くて柔らかく、ツヤと光沢があり、色合いに独特の雰囲気があるのが特徴。
本革のような強度や風合いはないけれど、水洗いできて扱いやすい。シューズやバッグ、時計のバンドによく使われています。
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バナナ(Bananatex®)
バナナの繊維は竹やラミーの繊維に似ていて、耐久性と耐水性があるので以前はロープやマットによく使われていたのだとか。
テクスチャーは伸縮性があり、シルクのようになめらかで自然の光沢がある。「バナナシルク」と呼ばれヴィーガン、エコフレンドリーなシルクとして注目されています。
現在では、ネクタイやクッションカバー、テーブルクロスやカーテンなどに使われているのだそう。
スイスのブランドQWSTION(クエスション)が開発した「Bananatex®」は、主にフィリピンが産地のバナナ属「Abacá」という植物の樹皮からできていて、軽くて強度がありながら自然分解するというサステナブルな素材。
同ブランドはバッグなどに採用している。
ココナッツ(Cocona®)
「Cocona® 」は、ココナッツの皮をリサイクルポリエステルと合わせて作られるエコフレンドリー素材。
ココナッツ繊維は、以前は土木工事などで使われるシートや、ラグ、マットレスの詰めものとして使われるのみでしたが、芯が柔らかく保温性があり、ウォータープルーフであるため、今はマウンテンパーカなどアウトドアウェアの素材としてファッションに活用されています。
オレンジ(Orange fiber)
H&Mやフェラガモとコラボしたコレクションで有名な「Orange Fiber」はイタリア・ミラノの会社が開発したオレンジの皮からできた繊維。
現在イタリアだけでも、年間700,000トン以上のオレンジの皮が廃棄されているそうで、そんな廃棄されるはずのオレンジの皮からテクノロジーとイノベーションで作りだされた繊維がOrange Fiberです。
シルクのような手触りで軽くて柔らかく、光沢があります。
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グレープ(Vegea)
「Vegea」は、“VEG (Vegan)”と“GEA (Mother Earth)”から名付けられた100%リサイクル可能なヴィーガン素材で、グレープの皮から作られている。
イタリアのワイナリーとコラボし、ワインを作る過程ででる廃棄から作られている。
テクスチャーは柔らかくなめらかで、耐久性があり、「ワインレザー」とも呼ばれヴィーガンレザーとしてファッションやインテリア素材などに採用されている。
https://danandmez.com/blog/vegea/
リンゴ(AppleSkin™)
イタリアの会社Frumatによって開発された「AppleSkin™」は、アップルジュースなどを生産する過程で出るりんごの皮からつくられる素材。
化学薬品やエネルギーの使用が少なく、サステナブル。
マンゴー(Fruitsleather)
オランダ・ロッテルダムのデザイナーHugoとKoenが立ち上げたFRUITLEATHER ROTTERDAMによって開発されたサステナブル 素材は“mango leather”とも呼ばれ、廃棄マンゴーからハンドメイドでつくられる。
レザー調の素材で、耐久性に優れシューズやバッグに採用される。
彼らはフードロスに対処するだけではなく、捨てられるはずの素材もポジティブに再利用することができることを見せていきたいと語る。
まとめ
フルーツからできているという点は同じでも、それぞれ雰囲気や色合いが異なり、できあがるアイテムも多種多様なのが面白いフルーツ由来の繊維たち。
サステナブルブランドの製品を見渡してみると、今の時点ではピニャテックス、オレンジ・ファイバーあたりをよく見かけます。
まずは手頃なところから実際に手にして、触って、テクスチャーを確かめるとより身近に感じるかもしれません。