ドイツ東西分裂時代の面影を残しつつも、近代的な都市へと変化を遂げたドイツの首都ベルリン。
クラブやアート、コーヒーショップなどクールなスポットが数多く存在し、若者達の移住の街としても人気を集めています。
一方ベルリンから西へ向かうと景色は一変、ハンブルクやブレーメン、中部・南部にはフランクフルト、ミュンヘンといったドイツの歴史的スポットが点在する観光都市へと移り変わります。
訪れる街によって多彩な顔をみせるドイツの各都市を巡る「ドイツ周遊の旅」は誰もが憧れる旅ですよね。
そんなドイツ周遊の旅で、国内でのスムーズな移動を助けてくれるのがドイツ鉄道(DB)。
ドイツは鉄道産業が発達しており、列車での移動がとても便利で快適です。
これからドイツに行くなら、ぜひ一度はドイツの鉄道を利用してみたいもの。
ここではそんなドイツ国内の周遊に最適なドイツ鉄道(DB)を利用する際に知っておきたいことをご紹介します。
チケットは事前手配で安心 ーネット購入も可能
海外旅行では航空券やホテルは事前に予約をしても、電車のチケットなどは現地調達するものだと思っている人が多いのではないでしょうか。
そのため海外で電車を使うのは「計画通り旅行を進められるだろうか…」「きちんとチケットを購入できるだろうか」と不安に思う人も多いですよね。
ですが、ドイツ鉄道(DB)のチケットは、 公式サイトから事前購入が可能です。
もちろん間違ったチケットを購入してしまうのが心配な人は、現地の窓口で直接購入することもできます。
でも特に観光シーズンやホリデーシーズンに利用を計画されている場合は、事前にネット予約しておくと売り切れの心配もなく、事前に時間も把握できるので安心です。
周遊チケット(ジャーマンレイルパス)を利用するのもおすすめ
また、通常のチケットに加えて、観光にぴったりのドイツ周遊チケット(ジャーマンレイルパス)も存在します。
このチケットは一部を除いた高速列車をはじめ、快速・普通列車といったドイツ鉄道(DB)が乗り放題になるお得なチケット。
ジャーマンレイルパスがあれば、目的地ごとに何度もチケットを購入しなくても良いので、気楽に列車を利用できますよね。
ただし旅程によっては逆に通常のチケットよりも高くついてしまうこともあるため、ご自身の旅程に合わせて一般のチケットとドイツ周遊チケット、どちらを購入したほうがお得かを調べた方がいいでしょう。
※ジャーマンレイルパスは使用する際に、利用開始手続きが必須となっているので注意が必要です。
改札のないドイツの鉄道-車両番号に要注意!
日本の場合、電車の車両番号は足元・もしくは電光掲示板に表示してあるのが一般的。
しかしドイツの鉄道の場合、同じ線路を異なる車種の電車が走るため、車両番号を統一して表示することができません。
そのため、プラットホームには各電車別の車両番号と目安となる停車位置が書かれたポスターが設置されています。
はじめてドイツ鉄道を利用される人は、こうした違いから車両を見つけることができずに戸惑ってしまうかもしれません。
しかしそんな時はプラットホームでじっくり確認すれば大丈夫です。プラットホームには余裕をもっていきましょう。
特に、座席指定のチケットを持っている人は、乗車後に車両をいくつも移動する面倒な羽目に合わないよう、あらかじめプラットホームで自分の座席のある車両と乗車位置を確認しておきましょう。
日本と異なる座席事情に要注意!-空席かどうかは各席の表示をチェック
日本の場合、電車は指定席と自由席で車両が分けられていることが一般的ですが、ドイツの場合、1等車・2等車の区別があるのみ。
そのため、同じ車両の中に指定席として予約されている座席もあれば、未指定の座席(自由席)も存在するのです。
指定席は、自分のチケットと照らし合わせて座席を見つければ良いので特に問題はありませんが、戸惑ってしまうのが自由席。
空いている席ならどこでも座っていいのかというと、実はそういう訳ではありません。
ドイツの電車の場合、各座席の上のところにその座席の予約状況が表示されており、それに従って座席が空いているかどうかを判断する必要があります。
指定席でも座っていい?融通の効くドイツの指定席
通常予約されている指定席には、予約者の利用区間も表示されています。(例:BERLIN-FRUNKFURT)
つまり、その区間の間のみ座席が指定されてるということ。
逆を言えば、指定席であっても、予約区間外はその席に座っても構いません。
特に、観光シーズンやホリデーシーズンは電車が込み合い、自由席を見つけるのに苦労してしまうこともあります。
そんな時は、自分の利用区間とは被らない指定席を見つけて席を確保するのも一つの方法です。
料金はお得でも「安心」は付いてこない自由席
未指定の座席(自由席)の場合「FREI(フリー)」と書いてあるか、もしくは何も表示がされていません。
それらの表示を確認したら、その席には自由に座ることが可能だということです。
また、予約者がいるかが定でない場合には「ggf. Freigaben」と表示されています。
この場合、必ずしも自由席とは限らず、誰かに予約されている可能性もあるので、後から「そこ私の席です」と声をかけられたら速やかに移動しなければなりません。
また乗車寸前に予約された席などは情報が反映されていないこともあり、自由席と思っていたら後から予約者がやってくるというハプニングが起こることもあります。
自由席は、座席指定のチケットに比べて安く購入できるというメリットもありますが、席が確保されていないため、移動を余儀なくされるかもしれないという不便な点もあるので覚えておいて下さいね。
ドイツ鉄道(DB)を利用する際のルールを覚えて快適な周遊の旅を
海外の鉄道は表示が読めないこともあり、路線の確認やチケットの購入が複雑だと思い込み、利用をためらってしまう人も少なくありません。
しかしその国の鉄道事情や基本的な乗り方さえ先に知っておけば、便利な移動手段として旅行では重宝します。
電車ならではの車窓も旅の醍醐味ですよね。
特に各都市が観光都市として成り立っているドイツにおいて、周遊を計画されている方は鉄道(DB)を利用して各都市を回ると、ドイツの魅力をより感じることができます。
何より列車の旅は、快適にそして早く移動ができて、かつ景色が楽しめるということを考えると旅の移動手段としては最高です。
窓から見える美しい景色を楽しみながら、次の都市への期待を膨らませる…そんな贅沢なひと時をぜひ車内で味わってみて下さいね。