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もっとクリエイティブなアイデアが浮かんだらいいのに、自分だけのユニークな何かを生み出せたら…どんなジャンルであれ、そう思っている人にぜひ一度読んでみてほしいのが『クリエイティブの授業』。
「ニューヨーク・タイムズ」のベストセラーリストにもランクインした一冊です。
絵本のような小さめのスクエア形に、ぽんと机の上においておいても目を引くポップなカバー。
この本、こう見えて内容はとても濃いんです。
というのも、この本には「クリエイティビティ」以上にこれからの新しい時代における、人生のヒントのようなものが沢山散らばっている気がするのです。
『クリエイティブの授業』
著:Austin Kleon オースティン・クレオン
10 things nobody told you about being Creative
訳:千葉敏生
アメリカの作家・アーティストであるオースティン・クレオンが、自身の創作活動から学んだ「クリエイティブに生きるための10のヒント」を紹介しているこの本。
文字嫌いの人でも軽く読み終えてしまえるくらい、ライトで読みやすい内容です。
とはいえ、ここで紹介されている①〜⑩のヒントはどれもシンプルでありながら奥深いものばかり。今のデジタル時代をクリエイティブに生きるコツをしっかり私たちに教えてくれます。
中身はモノクロなのですが、各見開きごとに彼のアートが散りばめられていて、アートブックとハウツー本が上手いこと融合したような軽さがあり、遊び心満載。
それが内容をより分かりやすく、読みやすくしてくれています。
オースティン・クレオンについて
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著者のオースティン・クレオンは、”a writer who draws (絵を描く作家)“として、アメリカでマルチに活躍するクリエイター。
デビュー作の新聞記事の黒塗りで作った詩集『Newspaper Blackout』は、そのシンプルでありながら斬新な作法が注目を集め、オースティンはPixar、Google、SXSW、TEDx、エコノミストなどのトークイベントでも講演を行っています。
SNSやブログの発展した現代だからか、どこか親近感があるオースティン。彼は大学卒業後、図書館員、webデザイナー、広告コピーライターをしながら作家になるべく創作活動を続けていたとのこと。
Instagram:@austinkleon
この一冊で世界のクリエイター達に出会う
『クリエイティブの授業』のお得なところは、このライトな一冊の中に作者のオースティン・クレオンだけでなく、様々なクリエイターの経験と言葉が無数に散りばめられていること。
「芸術とは盗むことだ(パブロ・ピカソ )」
「オリジナリティとは何か?バレない盗作である(ウィリアム・ラルフ・イング – イギリスの神学者)」
アート、音楽、映画監督、スポーツ選手、コメディアン、漫画家、情報デザイナー、イラストレーター、エンジニア etc….
さまざまな「その道のプロ」の言葉にはやはり説得力があり、クリエイティビティとは何たるかが多方面から見つめられます。
STEAL ー アイデアを盗むとは
アートにしろ音楽にしろ、ビジネスのアイデアにしろ「クリエイティブ」というと誰もが自分だけのオリジナリティを探し求めがちですが、100%オリジナルなものなどこの世には存在しないのだそうです。
では「オリジナリティ」はどこから生まれるのか。それはアイデアの盗み方にかかっているらしい。
そこらじゅうに転がるアイデアから、そのアイデアの奥にある”考え方”いかに上手く盗むか。
ー 漫画家ゲイリー・パンター (本著内)
クリエイティビティは日常から生まれる?
そして、この本以外でもよく言われることなのだけれど、普段私たちが「無駄だ」と切り捨てがちな時間にこそクリエイティビティは眠っているらしい。
- 何も持たずにただてくてく散歩する時間。
- 心を無にして皿を洗う時間。料理の時間。
- 無駄に思える移動の時間。
- 仕事に関係のない、ただ自分の好きなことをする時間。
- 何もせずにぼーっとする時間。
- あえてアナログを使う時間。
日常であえてそんな時間を持つことで頭と心にゆとりができ、そこで初めて新しい何かが生み出せる。
またそのために、自分の心動くことにもっと時間を使うこと。普段から上質なものに触れ続けることも大事。
この本を読んで行きついた先は、崇高なクリエイティビティの高みではなく、意外にも日常の風景でした。
何かとタスクに追われがちな現代人ですが、やはり日々の何でもない物事にこそもっと目を向けるべきなのかもしれません。
オリジナリティはすぐそこに。
ー せかせかと過ごす中に、あえてそんな”何でもない時間”を設けることがクリエイティビティを高めるならば、ぼーっとしている時間も、仕事を脇に置いて趣味に没頭する時間も、罪悪感を感じなくて良いじゃないか。
そうやってクリエイティブになることへのハードルをひとつ低くしてくれるのも、この本のアイデアに惹かれる理由なのだと思います。
よし今夜は存分に好きな本を読もう、映画を観よう、明日の午後は少し無駄なことに時間を使うのもいいかも。
『クリエイティブの授業』はそんな風に心持ちを今よりふわっと軽く、前向きにさせてくれるので、クリエイティビティを高めたいクリエイターもそうでない人も1日の息抜きぱらぱらとめくる一冊として手に取ってみてほしいです。
(もちろん英語の勉強にも◎)
続編も!
クリエイティブを共有! SHOW YOUR WORK! “君がつくり上げるもの”を世界に知ってもらうために
著:Austin Kleon オースティン・クレオン
訳:千葉敏生