ファッションのこれからを考えるアムステルダムの体験型ミュージアム「Fashion For Good」

 

何を選んで、何を着るか。

ライフスタイルを彩るファッションの選択ってとても大切ですよね。

オランダ・アムステルダムにはそんな「ファッションの選択」について考えさせてくれる、世界初のミュージアムがあります。

アムステルダムは世界的に見ても、環境問題やサステナビリティに関心の高いエコ先進国。

様々なエコプロジェクトが活発に動いているだけあって、ファッションの持続可能性についてもアクティブに楽しむことができるようです。

 

サステナブルファッションを考える Fashion For Good

 

Fashion For Goodはオランダ・アムステルダムにある、ファッションのサステナビリティ(持続可能性)について考える体験型ミュージアム。

世界的ファッションブランドのステラ・マッカートニーやアディダスも参加する、ファッションの「イノベーション・プラットフォーム」です。

ここでは様々な展示を実際に体験しながら、ファッションが環境に与えるインパクトについて知り、ファッションのこれからについて考えることができます。

 

「私たちの服がどんな風に作られているのか」って知っているようで知らないことが多いですよね。

Fashion For Goodの目的は、そんな服の裏にあるストーリーを知ることで、「どんな行動をとることができるか」を一般の消費者、生産者両方に考えてもらうこと。

take→make→wasteという流れで消費され多くの無駄がある現代のファッションを、より循環型のモデルにするための様々なソリューションを提案しています。

 

”Good Fashion(グッド・ファッション)”について考える

ミュージアムの展示は、1Fが過去から現在まで300年にわたるファッション業界の変遷を、2Fが「未来につながるファッション」をテーマに展示しています。

例えばTシャツ。

誰もが一枚は持っているであろうTシャツの生産には、どれだけの労力、エネルギー、水を費やしているのか、環境にどんな影響を与えているのか、

従来のTシャツの製法と、環境に配慮して作ったTシャツを比較して示すことで、よりサステナブルな選択について考えさせてくれます。

 

自分に合ったソリューションを提案してくれる

ミュージアムに入館した訪問者には、RFIDチップ入りのブレスレットが渡されます。

このブレスレットは館内各所の制御盤と通信して、その人がどの展示の前で長く立ち止まったのかを記録し、そのデータを基にその人がとることのできる「サステナブルアクション」について提案してくれます。

 

The Good Shop

館内には、現代のデザイナーやスタジオがエコを意識して作った服を展示・販売しているグッズショップもあります。

展示されているものはすべて購入可能で、コレクションは様々なテーマを掘り下げるために4ヶ月ごとに変更されています。

これまで展示されたテーマは

Splash:ファッションにおける水の役割と再考

再生ペットボトル、海洋ゴミ、漁網、サーモンレザーなどをアップサイクルして作られたファッションを展示

Color:ファッションの真のパレットについて考える

服作りで使われる染料に着目、服を鮮やかに染めつつ、環境に負荷の少ない染料についてのソリューションを紹介

など。

 

Fashion For Goodの考える「グッド・ファッション 」とは?

Fashion For Goodは「良いファッション」の条件として、5つの”グッド”を示しています。

Good Materials(いい素材) – 安全でヘルシー、再利用・リサイクル可能なデザインの素材
Good Economy(いい経済) – 成長し循環する経済、利益をみんなで共有する
Good Energy(いいエネルギー) – 再生可能でクリーンなエネルギーを使う
Good Water(いい水) – クリーンで、すべての人が使える
Good Lives(いい生活) – 住居・労働環境が安全で尊厳のあるものであること

この5つの”グッド”をもとに企業やブランドのエコシステム構築を後押し、私たち消費者にはより身近で、魅力的で、手頃なサステナブルファッションを教えてくれます。

 

新感覚のミュージアムでファッションの冒険を

Fashion For Goodは「”グッド・ファッション”とは冒険である」といいます。

”どのように服を買うか”だけでなく、”人生においてファッションをどのように考えるか”ということも含めてすべてがあなただけの旅。

自分のクローゼットをどんな風に作りあげるか、どんな素材にこだわるか、どんな風に服を大切にするか、それはすべてあなた次第。

Fashion For Goodでファッションの「アクション計画」を立ててみるのも面白いかもしれません。

 

 

Fashion
この記事を書いた人

フランス ボルドー、カナダ トロント生活を経て多種多様な働きかたに感化されフリーランスに。
優柔不断なほうなので、日々のお出かけや買い物から、生き方・働き方まで何かと迷いがちな私ですが、その中で見つけたエスプリや日々を愉しくするヒントをここで発信しています。
DNAから完全に夜型です。

CLAIrmag.